群馬大学は、重粒子線の治療装置を有し、重粒子線による治療・教育・研究を一貫して遂行できる日本で最初の大学です。本学が推進する「重粒子線医理工学グローバルリーダー養成プログラム」は、医学系研究科と重粒子線医学研究センターの教員を中心に、また2019年度からは理工学府の教員の参加を得て、医学・理工学融合型の「重粒子線医理工連携コース」を設置しました。組織横断的な教育体制を敷き、重粒子線医学・生物学の基礎と重粒子線先端臨床研究並びに高度医療機器の開発・運用技術の両面の教育研究を推進しています。
本プログラムでは、国立がん研究センター研究所、量子科学技術研究開発機構、宇宙航空研究開発機構、東芝エネルギーシステムズ株式会社、株式会社日立製作所ヘルスケアビジネスユニット、海外では、ハーバード大学/Massachusetts総合病院、ドイツ重イオン研究所、ハイデルベルグ大学ハイデルベルグ粒子線治療センター、並びに国際原子力機関(IAEA)等、重粒子線医学研究センターと学術交流のある教育研究機関や企業とのネットワークを活用し、幅広い知識と国際的視野を持つグローバルな若手リーダーを養成しています。また、企業や関連医療施設でのインターンシップを行うこと等で大学院修了後のキャリアパスの拡充も図ります。
群馬大学は、「重粒子線に関する物理工学・生物学・医学」が分野横断的に統合された教育研究環境のもとで、重粒子線医理工学を牽引する優れたリーダー、すなわち、重粒子線医理工学の推進と展開を支える、世界に通用する放射線腫瘍医ならびに物理工学分野や医学生物学分野のリーダー、及び重粒子線医療機器開発企業の研究開発リーダーの養成を目指したいと考えています。
群馬大学腫瘍放射線学教授 大野 達也